中国(中華人民共和国)について

中国の基礎知識

国土と民族について

中国は日本の約25倍の面積を持つ多民族国家で、人口の約95%が漢族と呼ばれる民族で占められています。

中文と汉语について

中華人民共和国(中国)や中華民国(台湾)では、中国語全般を広く「中文」と呼びます。

ただ、漢族以外の少数民族の言語も「中国の言語」と言えなくもないことから、それらと区別するために汉语(漢語)(漢族の言語)と呼ぶことがあり、学術的な用語としてもよく使われます。

われわれ日本人が中国語というのは、厳密には「汉语」のことを指しています。一般的には「中文」=「汉语」=「中国語」という認識で良いでしょう。

普通話

中国では文章語は古代より統一されていましたが、口語は各地方ごとに異なり、漢字の発音も各方言ごとに異なっていました。

このような状況を解消することを目的に、20世紀初頭から北方語の発音・語彙と近代口語小説の文法を基に「普通話」 (pǔtōnghuà) が作られました。

普通話は、中央政府の標準語政策により標準語・共通語とされ、教育や放送で取り入れられています。

一般的に、中国の全人口の70%程度が「普通話」を理解するといわれています。2000年の53%から大幅に増加したことが報じられました。

1910年には標準語という意味で「國語」という呼称が用いられるようになり、以後官話は北京を中心とした方言を、國語は標準語を指すようになりました。

ただ、「國語」は日本語からの借用語であったため、「普通話」と名を改めることになりました。これに対し、台湾へと逃れた中華民国政府は引き続き「國語」という用語を使用し続けていて、台湾や香港で大陸の『普通话』を指す時に使われます。

簡体字(simplified)と繁体字(traditional)

簡体字は北京を始め中国全土でもっとも使用されているスタンダードな漢字です。

これに対し、台湾や香港など一部の地域で使用されている伝統的なタイプの漢字が繁体字です。

もともとは、すべて「繁体字」で表記されていましたが、中国人にとっても難解な「繁体字」は、覚えるのに苦労を要するものでした。

そこで生まれたのが、繁体字を簡略化した「簡体字」です。文字の普及のために、歴史ある漢字から、新しく簡略化された漢字が考案されたのです。

簡体字=略式と考えてしまいがちですがそれは間違いです。中国では繁体字は正式な字として使用されているものです。

普通の中国人からしたらどちらもあまり区別の無い漢字として認識していてどちらも読めるようです。

日本の漢字簡体字繁体字
广
簡体字と繁体字の例

必ずしも、日本の漢字=「繁体字」というわけではありません。「万」のように「簡体字」と同じものもあれば、「個」のように「繁体字」と同じものもあります。また、「広」のように「簡体字」「繁体字」いずれとも違うものもあります。

台湾(中華民国)と台湾華語について

驚くかもしれませんが、実は日本では台湾を国としては認めていません。ただの地域の名前に過ぎないのです。台湾を国として認めている国は世界でもわずかしかありません。(この辺りは歴史が複雑でデリケートな問題も含むためあまり詳細は記載しません。)

台湾では今もなお「繁体字」が使われており、「台湾華語」と呼ぼれる言語が使われています。「台湾華語」は「普通話」と言語のベースは同じですが、発音やイントネーションが異なるものもあります。

また、漢字の発音を表す手段としてピンインではなく「注音符号」を使います。「ボポモフォ」とも呼ばれます。

参考サイト

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