中国語の母音は36種類もあり、これらを全部覚えるのは至難の業です。
しかし、分類の仕方を工夫することで、これらを覚えるのが少しは簡単になります。
ここでは、発音はひとまず置いておいて、まずは母音の種類をすべて覚える方法を考えます。
ステップ1 単母音を覚える(6種類)
まず、単母音と呼ばれる、純粋に単一の母音からなる母音を覚えます。
6種類ありますが、「a」「e」「o」の「強い音グループ」と、「i」「u」「ü」の「弱い音グループ」の2つに分けて覚えてください。
強い音グループ (主母音) | 弱い音グループ (介母音) | ||||
a | e | o | i | u | ü |
ステップ2 二重母音を覚える(9種類)
次に、短母音の組み合わせで出来ている「二重母音」を覚えます。
単純に考えると「二重母音」は2つの「単母音」を組み合わせたものなので、単母音の種類である6種類x6種類=36種類あることになりますが、実際には9種類しかありません。
先に覚えた短母音で2つのグループに分けたことがここで役に立ちます。基本的に、「強い音グループ」同士、「弱い音グループ」同士の組み合わせはなく、次の組み合わせのみとなります。
「強い音グループ」x「強い音グループ」←存在しない「弱い音グループ」x「弱い音グループ」←存在しない- 「強い音グループ」x「弱い音グループ」
- 「弱いグループ」x「強い音グループ」
この組み合わせは全部で18種類あるのですが、実際に存在するのはそのうちの9種類です。下記がその一覧で、実際に存在しないものは打ち消し線で消しています。
「強い音グループ」x「弱い音グループ」 | ai | au(注1) | ei | ou | |||||
「弱いグループ」x「強い音グループ」 | ia | ua | ie | üe | uo |
(注1)「ao」について
ここで注意してほしいことが1点あります。基本的に「強い音グループ」と「強い音グループ」の組み合わせはないと書いたのですが、実際には「ao」というピンインが存在するのです。
実は「ao」は音声的には「au」に近く、本来は「au」と表記されても不思議ではないものです。上の表では単母音の組み合わせとして、あえて「au」と表記しましたが、実際のピンインでは「ao」と表記します。
二重母音はどうやって覚える?
二重母音は「強い音グループ」のうち1個と、「弱い音グループ」のうち1個が組み合わさってできます。
このとき、「強い音グループ」と「弱い音グループ」の音には、相性の良いものと悪いものがあるのです。
下の表でそれを見てみましょう。二重母音は全部で9種類となります。
<a> | <e> | <o> | |
<i> | ai ia | ei ie | 「o」と「i」は相性が悪い |
<u> | au ua | 「e」と「u」は相性が悪い | ou uo |
<ü> | 「ü」は「強い音グループ」と相性が良くない | üe | 「ü」は「強い音グループ」と相性が良くない |
ステップ3 三重母音を覚える
三重母音は4つしかありません。二重母音のうち「強い音グループ」から始まる4つの母音の前に「弱い音」を付けます。元の2重母音が「-i」なら「u」を前に付けて「u-i」とし、「-u」なら「i」を前に付けて「i-u」とします。
強い音から始まる二重母音 | 付け加える音 | 三重母音 |
ai | u | uai |
ei | u | uei |
au | i | iau |
ou | i | iou |
ステップ4 残りの母音を覚える
ここまでのステップで、19種類の母音を覚えたことになるので、残りは17種類の母音を覚えることになります。まだ半分覚えていないと分かり絶望的な気持ちになるかもしれませんが心配無用です。
「i」は発音上は大きく2種類に分かれ、それぞれを母音としてカウントすることが多いです。これを差し引くと残りは16種類になります。
残りの16種類は鼻母音と呼ばれる、「-n」もしくは「-ng」のグループとなります。
<a> | <e> | <o> | <an> | <an> | <en> | |||||
【-n】 | an | en | in | ün | ian | uan | uen | üan | ||
【-ng】 | ang | eng | ong | ing | iang | iong | uang | ueng |
これは覚えるしかないのです。
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