声調・四声とは?
中国語では、1つの音節の中での音の高低(アクセント)でも意味を区別します。このアクセントのことを「声調」と呼びます。
中国語の声調は4種類あるので四声とも呼ばれます。
- 第1声(または単に1声) 平坦な高い声
- 第2声(または単に2声) 低い音から高い音へ
- 第3声(または単に3声) 低い声
- 第4声(または単に4声) 高い声から低い声
関西人であれば、この表を見れば四声は完璧です。
第1声 | 「血出た。」の「血ぃ」 |
第2声 | 「手貸して。」の「手ぇ」 |
第3声 | 「目痛い。」の「目ぇ」 |
第4声 | 「歯抜けた。」の「歯ぁ」 |
第1声
平坦な高い声で発生します。絶対的な声の高さではなく、その人の中で高い音を発すれば良いです。
- ショックを受けて、「が~ん!」
- 子供が「イーダッ!」
- 電話の切れた時の音(ピー・ピー)
第2声
低い音から高い音へ滑らかにつなげます。
- (すぐにやって!と言われて)え?[大阪弁で]今?
- (ムカつくことを言われて)はぁ?(むかっ)
- 驚いて聞き返す「ええ!?」
第3声
低い声で
- 失敗して落ち込みながら、「あ~あ(やっちゃった・・・)」
第4声
高い声から低い声へ一気に落とします。
- 「これ、君の?」と聞かれて、「そう!」
- カラスが「カァ!」
- 英語の「in」「on」
声調記号
中国の声調(四声)を表す記号を声調記号と呼び、下記のように表記します。
四声 | 記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 |
---|---|---|---|---|
第1声 | ̄ | U+0304 | 1-11-66 | ̄ ̄ |
第2声 | ́ | U+0301 | 1-11-65 | ́ ́ |
第3声 | ̌ | U+030C | 1-11-62 | ̌ ̌ |
第4声 | ̀ | U+0300 | 1-11-67 | ̀ ̀ |
声調の変化について
中国語では、基本的に1つ1つの音節は独立していて、前後の音節がつながることはありません。
ただし、まったくないわけではなく、特定のケースでは次のような音の変化が見られます。
- 軽声
- 変調
- r化
軽声
軽声とは、本来持っている声調を失って軽く弱く発音される現象を指します。
次の8つの例では、後ろの1音節は軽声となります。軽声には声調記号を何も付けません。
- māma(妈妈)
- yéye(爷爷)
- nǎinai(奶奶)
- bàba(爸爸)
- tāde(他的)
- láile(来了)
- wǒde(我的)
- qùguo(去过)
軽声の音の高さは、前の音の声調の終わりの高さに合わせて自然な高さで発音します。
軽声をそれらしく発音するポイントは、直前の音節を意識的に強く長く発音することです。
変調
変調とは、本来の声調が変わることを意味します。
変調の場合は、声調符号を変更することはしません。本来の声調符号をそのまま付けるので注意が必要です。
連続した第3声
第3声が2つ続く場合、「前の」第3声は第2声に変化します。
(※ただし声調記号は元の第3声のまま書くのがルールとなっています。)
- 你好(nǐhǎo) → níhǎo と読む
- 雨伞(yǔsǎn) → yúsǎn と読む
- 洗澡(xǐzǎo) → xízǎo と読む
第3声の後に第1、第2、第4声が続く場合
第3声は単独で発音される場合には後半部分を尻上がりに発音しますが、後ろに第1声、第2声、第4声が続く場合、後半部分を発音せずに短く発音します。これを「半3声」と呼びます。
すわなち、第3声を後半部分を尻上がりに発音することはむしろまれで、「半3声」で発音されることのほうが多いのです。中国語の発音を良くする上で、ここは大きなポイントとなります。
- 北京(Běijīng)
- 北极(běijí)
- 北大(BěiDà)
- 旅行(lǚxíng)
- 美国(Měiguó)
- 你来(Nǐlái)
儿化(r化、アール化)
音節の後ろに「er」の「r」の部分がつながる現象のことです。
これについては、こちらで詳しく説明しています。☞ 儿化
一
「一」の本来の声調は「第1声」です。
第4声が続く場合は「第2声」に変調します。
第4声以外の、第1声、第2声、第3声が続く場合は「第4声」に変調します。
ただし、序数として使用する場合は本来の「第1声」のまま変調しません。
※いずれのケースでも、ピンイン自体を変えることに注意してください。
なお、動詞が重ね型になった時に間に入る「一」については軽声となります。
不
「不」の本来の声調は「第4声」ですが、第4声が続く場合は「第2声」に変調します。
※ピンイン自体を変えることに注意してください。
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